漢字一字の話

 毎年恒例の「今年の世相を表す漢字1字」というものがあることをズームインで知りました。財団法人日本漢字能力検定協会が公募し、年末の恒例行事となってるそうです。7回目を迎えた今年の「字」は12月12日の「漢字の日」に発表されました。それは、「戦」。「戦(セン・いくさ・たたかう)」が表す2001年とは米国同時多発テロ事件で世界情勢が一変。リストラ、失業、デフレ、狂牛病との戦いで、生活そのものが戦場なのに、対テロ戦争、炭そ菌との戦い、世界的な不況との戦いが始まり、毎日が戦々恐々。小泉首相も構造改革の抵抗勢力と戦い、イチロー選手や高橋尚子選手も戦いの末、大記録を樹立して・・・すべての出来事に「戦いの世」を実感。見えない明日、見えない敵、自分自身とも戦った年。とのこと。まー、なんにでも使える漢字が選ばれたということでしょうか。下記、参考に書きますが毎年毎年、暗いイメージの漢字が選ばれるので「戦」は妥当だったのではないでしょうか。千と千尋もブームでしたし。ってそりゃ漢字違うわ。今年選ばれた漢字のベスト5も「戦」「狂」「 乱」「恐」「命」とどれも暗いイメージです。5位の「命」はTIMを思い出したら笑えて明るいですが、おそらく意味は「多くの命が奪われた」という意味での応募だったと思います。そんな暗い漢字の中、昨年は「金」が、世相を表す漢字に選ばれました。「金」というと明るい漢字ですね。闇献金とか暗い部分も含んでるんでしょうけど。ちなみに、坊さんの書いた字を始め見た時、「生」かと思ってしまった。「はい、いーですかぁ、人という字は〜、人と人が支え合って、できてます。」「先生、入るっていう字も支えてますよね。」「入ると言う字は人が人と交わって挿入。人と人が交わって生でやると、新しい人生が生まれます。」はい、「金」八下ネタ小話終了。

ここからは発表前に僕が思った漢字です。

「一」
 2001年で21世紀、最初の年はやっぱり「一」ではないでしょうか。20世紀に良いことがなかった人は「一」からスタート。当然、「一」と言えばイチローを連想することでしょう。イチローの活躍は暗いニュースが続く中、僕らに希望を与えてくれる素晴らしいニュースでした。

「新」
 新世紀の始まりです。新たな気持ちで始められる年だったと思います。新しい出来事多々ありました。成功したか失敗したかはべつとして小泉「新」内閣。マイナスの新しい出来事もたくさんありました。また、野球ネタで恐縮ですが新庄の活躍も僕らを和ませてくれましたね。

「改」
 まず、流行語大賞といって浮かんだのが「構造改革」。流行語大賞は昔から暗い言葉や人名は出さない。明らかに「構造改革」なんて忘れられた存在。いったい何を改革したのでしょうか?もし、流行語大賞に制限が無ければ「オサマ・ビン・ラディン」にとか「アフガニスタン」、「テロ」とか「狂牛病」が流行語でしょうね。

「紛」
 本当は肉骨粉、炭そ菌の白い粉に代表される「粉」といいたいところですが、紛争の「紛」です。テロは戦争だという意見もありますが、宗教紛争というイメージが強いと思います。

「愛」
 誰も使わないけどきっと流行語になるんじゃないですか「ジャイアンツ愛」。スポーツ選手がちょろっと言った言葉は流行語になります。審査員は「流行語」をなんだと思ってるんですかね?愛子様ってーのは多分、募集期間を過ぎてるんだろうね。

こじつけの駄洒落大会みたいになりそうなので辞めておきましょう。

それにしても、なんなんすかね、あの選択は。ここが変だよ「流行語」って感じ。俺の中では流行語はマイナスイメージを生んではいけないという定義があったのに、「狂牛病」ってあんた。思いっきり選ばれとるがな。まぁ、政治家の言葉が必ず選ばれるってのは判ってたけど、米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」 ってこれ全部大賞かよ。スポーツ選手の言葉も必ず流行語になるなぁって、「ファンの皆さま本当に日本一、おめでとうございます」かよ。流行したのかよ。「明日があるさ 」は良いとして、「e-ポリティックス 」って誰が使ってるだよ。「狂牛病 」ってマイナスじゃねぇかよ。「塩爺」ってあだ名ありかよ。「ショー・ザ・フラッグ 」って巨泉のいいなりかよ。「生物兵器(BC兵器) 」ってなんで受賞者いんだよ。「抵抗勢力」受賞者いねぇーじゃねぇかよ。「ドメスティック・バイオレンス(DV)」って長ぇーよ。 「ブロードバンド」ソフトバンクかよ。「ヤだねったら、ヤだね 」って去年じゃねぇかよ。なんで「ファイナルアンサー」ねぇんだよ。そんなわけで、僕の流行語ナンバー1は「三村のつっこみ」です。語じゃねぇーじゃねぇーかよ\(^。^ )。

<過去の漢字>
1995年「震」:阪神・淡路大震災や、オウム真理教事件、金融機関などの崩壊などに“震えた”年
1996年「食」:O−157食中毒事件や狂牛病の発生、税金と福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発
1997年「倒」:山一證券など大型倒産の続出や、サッカー日本代表が並いる強豪を倒してワールドカップ初出場決定
1998年「毒」:和歌山のカレー毒物混入事件や、ダイオキシンや環境ホルモンなどが社会問題
1999年「末」:世紀末、1000年代の末。東海村の臨界事故や警察の不祥事など信じられない事件が続出して、
         「世も末」と実感。来年には「末広がり」を期待
(参考:http://www.kanken-inpaku.com/index.html)

以上、今年最後のエッセイでした。ちゃんちゃん('01/12/15)


エッセイのホームページに
戻る 戻る

satoru@sumadore.com