技術部の話

  4月1日に事業部内異動となり、第一開発運用グループというところに配属されました。思い起こせば入社当時は技術職として雇われたはずなのですが、配属は法人向けプロバイダーの営業職でした。当時の部長には1年間我慢して営業業務をしてユーザニーズを捉えることのできる開発になれみたいなことを言われたのですが、まる5年もこの職業をすることになりました。その間に本部が事業部になって名称が変わったりしましたが、内容は営業のままでした。5年ともなるとサービス提案から導入まで一人で行った大型案件もいくつかありました。1年目、2年目はまだ特別プロジェクトの本部として動いていたので、事業部機能は無く営業に厳しいノルマを与えるようなことは無かったのですが、3年目に事業部になって売り上げや損益の数字が厳しくなりました。部署名は第一ソリューション部と変わったのですが、中身は官庁関係の営業のままです。4年目には部長も変わりましたが、以前一緒に仕事をしていた部長であり当初から信頼を買っていたと思っています。前任の部長にも努力をする姿勢は買われていたと思います。入社当時から居心地のよい部署だったせいもあり、技術志望、技術志望とアピールしつつも、何の努力もしなかったせいか、ずるずると営業を続けていました。そんな5年目の1月に転機がありました。事業部内異動です。社内プロジェクトです。名前だけ聞いたらカッコイイのですが、中身は赤字になっているサービスを全て辞めさせる特命で、集約プロジェクトと呼ばれています。各部署から1名づつ人を出すことになったそうです。なぜ僕が選ばれたかというと、このサービスを売った経験があり、サービスについて詳しいというのは建前で、本音で言うと他のメンバーと比べて営業センスがないからでしょう。努力や信頼とセンスは別です。恐らくは部長判断で選抜されたものだと思います。抜けてはいい人を選抜したのではなく、抜けたら困る人の消去法で選らんだものだと勝手に思っています。社内とはいえ異動の経験は初めてです。構築運営部という名前だけ聞いたらカッコイイ部署に移りました。昼礼でみんなの前で異動の挨拶を軽くします。異動の挨拶といっても、突然言われた希望したわけでもない異動なので中には「よく判らないですが、様子をみます。」なんて挨拶をしている人もいましたが、僕は「経験を生かしてプロジェクトをすぐ終わらせるよう頑張ります。」と言った当たり障りの無い挨拶をした記憶があります。事業部長の話では整備が終わったので後は客先に説明にいく段階なので、プロパーの営業が必要とのことだったのですが、客先に行ったには数えるほどしかありませんでした。集約プロジェクトから3ヶ月が過ぎ、メンバーも増えたのですが、赤字事業を移管するということになり、事業ラインをまとめる本部に名前だけ移りました。はじめて事業部が変わったのですが、中身は変わってません。ここのマネージャも以前から仕事で関わっていた人だったので、努力は認められていたと思います。さらに3ヶ月が過ぎたところでほとんど担当集約は完了していました。これでプロジェクト完了なので営業に戻るのかと思ったら、事業部長からの辞令で前の事業部に兼務となり、そのまま他の集約案件を担当することになったのです。こちらは集約といっても、辞めさせるわけではなくサービスを新しい基盤に移すというものでした。部長も変わりました。入社当時の本部のメンバーだったのですが、仕事で絡むのはこれが初めてでした。自分で言うのもなんですが、ここの集約は本当に頑張ったと思っています。僕がいなかったら終わらなかったんじゃないかとすら思えます。部長にも認められてました。そんな兼務が3ヶ月続いたところで、事業部自体が他の事業部と合併することになり、ついでというか本部の兼務がはずれ、事業部に戻った形になりました。部署はグループ制となり、サービスマネージメントグループ。なにをマネージメントしてるのやらって感じですが、やってる内容は同じです。さらに3ヶ月が過ぎて、またまたグループ名が変わりました。NW/サービスリニューアルグループです。ついに事業部として「集約」を部署名にしてしまったわけですね。「集約」は永遠に終わらないって考えでしょう。このまま集約人生ってのはある意味、営業人生よりも怖い。部長は他の部署に引き抜かれ、また変わってしまいました。統括マネージャが部長の代わりとなったのですが、その時点で集約はほとんど終わっており、あとは全ユーザ整理段階だったので、この統括マネージャへのアピールはまったくできませんでした。そして、4月に2人が集約から抜けるという噂がたちました。予想通りグループには不要と判断され、その2人の一人となったのです。運が悪いと感じたのは評価される前に追い出されたことです。前の部長なら確実に昇格していたと思うのですが、評価はしてくれませんでした。そして4月1日に昇格した同期がいる中、僕は担当のまま出遅れたわけです。結局、よく知らない部下の昇格の判断材料は資格になるのです。しかし、僕は集約業務に力をいれて、いわゆる社内の技量認定という社内資格制度があるのですが、そちらを受けることなく目標に向けて仕事をしてきました。それを2つ取得していれば昇格していたと思います。集約業務が落ち着いたので技量認定を受けようと思った時には、受験者がいっぱいで受けられず、昇格発表後の4月となってしまいました。技量認定は難なく2つ取得しました。次の昇格まであと1年。今更って感じでむなしくなりました。受験したくてもできないって制度は絶対おかしい。しかも、この試験は何度でも受かられるのですが1回3000円が事業部負担となるのです。これを悪いと思ってなかなか受けなかったのですが、中には10回も20回も受けてる人がいます。ようするに言ったもの勝ちの不平等な世界なのです。資格でしか判断できない上司、人事って悲しい世界ですね。資格をもってるからって、応用できてない人の集まりじゃないですか。資格マニアの従業員を雇うことが会社にとってプラスになるのでしょうか。と、昇格制度を愚痴ってもしょうがないので辞めましょう。僕が昇格しなかったのは実力(運も含めて)が足りなかったに過ぎません。話を戻して4月1日の異動ですが、プロジェクトにいた時に事業部長が5分間面接を開催しました。集約が終わったらどこへ行きたいかの確認です。以前から「技術志望」「技術志望」っていうのが、頭にインプットされてしまっていたのか、その場でも「技術的な仕事がしたい」と言ってしまったわけです。そして異動したところが第一開発運用グループです。事業部長にしてみれば、プロジェクトを遂行したご褒美とでもいいたいのでしょう。しかし、業務内容は開発とは無関係なセールスサポートです。しかも、今更メインフレーム関係の業務です。僕の求める技術とはほど遠く、内容は「営業業務を大変にした」って感じのものです。とても好きになれません。マネージャも初めての人です。部長は入社当時の本部の人ですが、全く仕事で関わったことがない人です。この1年間でまた信頼性を気づかないといけないので大変です。メインフレームは全く知らない仕事内容なので、また1からやって仕事ができることをアピールするのは非常に難しいです。部長にも営業から技術への異動は難しいから、3ヶ月のお試し期間なんてことを言われています。セールスサポートは営業と変わらないのでこなせるとは思うのですが、メインフレームはオープン化された頭がついていきません。これから古い技術を覚えていかないといけないと思うと悲しくなります。現在、社内公募(社内での求人に応募)という手段もあったのですが、今回は見送りました。とにかく、今は努力をするしかありません。自分を将来を見据えた努力をしつつ、今の仕事に慣れていこうと思います('04/4/29)。


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