できることの話

 「あなたのためにできること」。いったいなんなんでしょう?これは、どこかの企業様のキャッチフレーズです。自分にできないことについて考えてみましょう。人には2つのタイプがいると思います。評論家タイプとそうでない人。評論家タイプは自分にできないことであっても批評できる人です。先月、派遣の子の結婚式に参加させて戴いたのですが、その披露宴で新郎のお友達(ゴリ顔)がピアノを演奏しました。確かショパンだったと思います。僕は素直に凄いなぁと感じたのですが、先輩はどうもあまり上手くないと感じたようです。単純に「上手い」「下手」の閾値をどこにもっているかの問題だと思うのですが、僕は自分に出来ないことができる人に対して、純粋に尊敬したいと思っています。別に自分が凄いから、それを上回るやつはさらに凄いとか言ってるわけじゃないので誤解のないように。多分、その先輩はピアノは引けないでしょう。でも批評はできるわけです。でも、評価ができる人というのは大切です。僕はものを買うのに結構、雑誌のレビューとかに踊らされます。その評価した人がどんな人なのかも良く分からないけど、ベタ誉めしてるとつい買いたくなります。ファミ通というゲーム雑誌のクロスレビューも立ち読みでよく見ますが、やっぱり「10」「10」「10」「10」なんてのがあると欲しくなってしまいます。N64のゼルダの伝説が、それでした。ついつい、本体ごと買ってしまいました。でも、このソフトは買って良かったと感じることができる1本でした。もちろん、評価を信じて失敗したなんて話は腐るほどあります。ソフト会社からお金もらってるんじゃないかとか思うこともありますね。オスギの映画評論も見た後に「なんでやねん」ってつっこみたくなるものもある。もっとも、その人の評価というものは、その人の感性で、その人の後ろにある時代背景や生活背景があってこその評価であって、全員が納得する評価のわけがないのだから、その人に対する評価を自分自身でやらなくてはいけないわけです。ちょっと自分でも何を言ってるのかよく分からなくなってきたので、話を変えましょう。生きていく上で誰もが一度は思う「自分は何のために産まれてきたのだろう」について考えます。僕はサラリーマンの道を選んだ訳ですが、「朝起きて食事して会社に行って仕事して昼飯食べて仕事して夕飯食べて寝る」この繰り返し。なんてことを良くいいますが。その行動1つ1つが毎日必ず変化しているはずです。「朝起きる」にしても、寝汗で起きる、トイレに目覚める、二度ねして遅刻する、などなど様々だと思います。「食事」だって全く同じものを食べる人なんて絶対いないはず。おかずがちがったり、量がちがったり、味がちがったりしているはずです。「俺は毎日カップラーメンがよ」って人だって、品物が違ったり、お湯の量違ったり、割り箸の割れ方が違ったりしているはずです。毎日同じ事をしていると思うと非常につまらなく思ってきます。でも日常の変化を楽しめば生きている意味を少し感じるのではないでしょうか?そして、やっぱり人間、働いていて一番悩むのが「仕事」だと思います。僕も永いこと学生をしてきたわけで、社会人になる不安は非常に大きかったです。そもそもサラリーマンというものが何をしているのか分かりませんでした。自分の知らない世界に入り込むというのは、少なからず不安です。僕が今の会社を選んだ理由は前にも言いましたので割愛しますが、毎日同じ仕事はしたくないという気持ちがありました。大学の頃、ほんの数ヶ月ですが皿洗いのバイトをしてたことがあります。皿洗いといってもご飯炊いたり、茶碗蒸しの具を作ったりといろいろやっていましたが、どうも同じことの繰り返しをしている気がしてなりませんでした。それは、前述したような変化を楽しめなかったからだと思います。お皿1枚にしても他の皿とは違うわけです。毎日、変化しています。まかないの食事も毎日違ったはずです。それを楽しむことができませんでした。だから僕は毎日が違う仕事がしたかった。どんな仕事だって毎日は違うということに気づいていなかったから。僕の入った会社はいわゆる名前の知れた大企業と言っても過言ではないところです。いったいこの会社で何ができるのかという不安がありました。入社1年目。もう何度となく書いているので、知っていると思いますが、希望は全く通らず営業畑の仕事に就きました。部長は「技術の人はユーザニーズに答えるモノを作らなくては意味がない。営業を経験することも大切だから、1年間頑張ってみてはどうだろうか?」と仰っていました。しかし、早くも4年同じ仕事をしています。自分は自分のできる範囲で一生懸命、今の仕事をしてきたつもりです。その一生懸命が裏目に出ているのか、未だ技術畑には移れません。むしろ、移るのが不安にすらなってきました。しかし、移るチャンスはいくらでもあります。大企業の良いところは、「部署が変われば会社が変わる」と言われるほど、社内で転職ができる可能性があることです。つまり、今の仕事が自分に合わないと思っても会社を辞める必要は無く、何か違うことにチャレンジする機会はあるのです。僕の場合もチャンスはあるのですが、そのチャンスを使うになかなか踏み込めないのが現状です。馴れてきた今の仕事を捨てるということに臆病になっているのです。しかしながら、自分という可能性を広げるには違う仕事にチャレンジしてみないといけないと思います。今の部署で自分の可能性を閉じこめていてはいけないと思います。いろいろな仕事にチャレンジして、自分を見いださなくては人生つまらないと思います。自分にできる最大限のことをやって、自分が最大限の力を発揮できる職場を見つけることが大切なのではないでしょうか?今の仕事に少しでも疑問を感じている人がいたら、こうして下さい。まず、今の仕事で出来うる最大限の努力をして自分の全てを発揮して下さい。「俺には出来ない」とか腐らないで、まずやってみて下さい。それでもまだ疑問に残るようでしたら、違う仕事をしてみて下さい。同じ会社で違う仕事をしても良いですし、本当に転職したって良いと思います。自分を見つけるためには、何をしたって良いと思います。自分の人生なんだから。当然、他の人に迷惑をかけないということは重要ですが。今できることが、自分を最大限に生かせていないと思ったら、最大限に生かせる「できること」を見つけるために、いろいろな事にチャレンジする精神が大切です('01/7/15)。


エッセイのホームページに
戻る 戻る

satoru@sumadore.com