新居の話

 前々回の「物件の話」においてとんだ大失敗をおかしてしまった私はちょっとML恐怖症になっております。引越しなんてしなければこんな恥ずかしい思いをしなくてすんだのにと八つ当たりしています。実際、望まない引越しはするものじゃないですね。今の生活でなんの不自由も感じてないのに、わざわざ狭くて高いところに引っ越す意味がわからない。考えてみれば福利厚生がしっかりした会社を選んだ方が、ある程度給料の安い会社でもいいと思いますよね。僕の後輩は18000円の1Kの寮に住んでます。まー、彼はある意味1年目の新人だからそれくらいで住めるのでしょうが、僕のマンションと比べると差額6万円です。部屋の大きさも部屋の構成もほとんど変わらないのに、6万円の差です。給料の差が6万円あるわけでなし。収入-支出は僕の方が確実に上でしょう。前々回のエッセイに書いたように、最終的には蒲田の物件となったわけです。今、考えると蒲田にする必要性ってべつに無いですね。2月末になって、もう「実家に帰る!」と決めていたなか、ほぼ冷やかし気分で池上2分の案件にフォレント経由でメールしたところ、メールの対応が良くてあれよあれよと「実際に物件を見に行きましょう」ってことになって、会ってみるとチャラチャラ系の人だったし、部屋の中身を見せてくれないし、池上2分じゃなくて、蓮沼2分だし。こりゃ「お断り」だなと思っていたのですが、マンションの概観を見た後にドトールに行って、パンフレットで話を聞いてるうちに、新築っていーなーとか思いはじめました。そして、「済」のハンコがいっぱい押してある部屋の図を見せられて、「あと1個!」「限定!」に弱い私としては、思わず心が揺らいでしまったのです。考えてみれば、ここで決めなければ通勤2時間生活。人生を通勤で過ごしてどうする、宮内。さらに空いている数戸の図を見ると、68000円という2F以上で一番安い部屋が空いているのです。管理費が9600円という高い値段なのですが、蒲田物件と考えれば、安いのではないかと思い始めました。極めつけは「光ファイバー敷設済み、ブロードバンド対応」です。ウォシュレットや宅配BOXも惹かれますね。そんなわけで、ドトールで即決です。親が働いてないので、保証人は弟ってことで通用したのも決めてです。通常は保証人というと年上という暗黙のルールがあるらしいですが、弟でOKとのことで助かりました。後から確認したのですが、弟は快くOKしてくれました。月々千円くらいとられる保証人不要システムよりもお得です。申し込みしてから、なかなか書類が来なくて不安になってましたが、3月第1週に届きました。印鑑証明が必要なので、前もって連絡していたのですが、「忘れてた」という弟からの返事。3月8日に有給で市役所に取りにいってもらいました。その日の晩に新宿で会って、確証をもらい、管理会社に郵送。その後、鍵がくるはずなのですが、なかなか来ない。管理会社にクレームすると、こちらも「連絡忘れてた」の回答。オイオイ、仲介手数料取るんだから、しっかりしろよ。仲介業者じゃなくて管理会社ってことなのですが、しっかり1ヶ月分の仲介手数料を取ります。振り込み額は敷金2ヶ月+礼金2ヶ月+仲介手数料1ヶ月+仲介手数料+保険+事務手数料+家賃(3/13〜3/31分)で、ボーナスぶっとびです。鍵はというと引越し2日前に来ました。結局、内見なしで住むことになってしまいました。悩んだのは引越し業者です。友達に聞くと、単身パック派が多いようなのですが、あれって土曜日だと割高で2BOXだとするとあっちゅー間に普通の引越し代になってしまいます。とりあえず、今流行の一括見積もりをWEBから実施したのですが、ほとのど3万円越えです。そこでいろいろWEBで検索したところ見つけたのが「ワンルーム引越しセンター」。12,600円(税込)で大手1BOX2つ分とのこと。しかも、ダンボール10個無料郵送。ちょっとこの値段は怪しいなーと思わせますが、背に腹は変えられず。申し込んだところ夕方ならOKとのこと。当然、お手伝いは必要なので、搬入、搬出で一人づつ友達にHELP出しました。ダンボール詰めは、さすがに疲れますね。CMのように食事してるところで時間が止まって、引越し完了してくれたら、どんなに楽でしょう。全まかせは10万円くらいとられます。当日は夕方ということもあり、まずは軽い荷物を運んでしまおうと電車で新居に行きました。蓮沼2分というだけあって、蓮沼から行くとホントに直ぐです。オートロックを開けて、中に入ります。そうそう、今回、寮以外の一人暮らしが初めてなので、知らないことだらけでした。電気、水道、ガスはどーすればいいのかとか、転出届けってどのタイミングでだすのかなどです。ダック引越しセンターのページが役立ちました。この歳で新しく知ることが多いです。学生時代あるいは新人時代に知っているべきことですね。部屋に入ってまず思ったことは、「天井は高い」ということです。同じルーブル系の馬込案件は天井が低くて狭狭しかったのですが、けっこう広く感じます。今の寮と同じくらいですね。収納の無さは予測の範囲を超えてました。クローゼットも小さい。でも、ところどころに細かい収納はあります。ただ、細かい荷物は既に実家に持って帰ったので収納は少なくても大丈夫かなーなんて甘いことを思っていたのですが、服のスペースは全くありません。パイプハンガーを買うしか道は無さそうです。それから、窓も大きくていい感じです。ただ、エアコンが設置してある場所が妙にでっぱているため、こいつが部屋を狭くしています。馬込もこのでっぱりがあったので、覚悟はしていましたが。次にベランダに出たのですが、ガックシです。マンションに囲まれてるじゃないですか。日当たり悪そうです。やっぱ、内見って大切だなーと痛感しました。痛感してるところに呼び出しのチャイムが鳴ります。初めてインターフォンのTVモニターに映ったのは、”NHKの集金の人”でした。「まだ、引っ越してません!」と一蹴。とっとと、寮に戻って引越し屋さん待ちです。搬出は後輩に手伝いに来てもらいました。仕事料はピザまんとプリンです。5時過ぎにやっと引越し屋さん登場です。おじさん一人。このおじさんが、この値段で1日3件も引越ししてるのかと思うと可愛そうに思えてしまいました。ホームページにあるように確かにばっちり収納できそうな軽トラックです。3Fの僕の部屋から荷物を出します。もちろんエレベーターはありません。寮長の手伝いを期待したのですが、電話に夢中でした。。。引越し屋曰く「きっちりした人だ」とのこと。まー、綺麗にダンボール詰めしましたからね。28インチTVもホームシアターも自転車も問題なく収まりました。ここで後輩とはお別れ。僕は寮長に餞別を渡して、助手席に乗って新居に向かいます。後輩のVitzと同じカーナビついてます。案内の聞き心地が良い。すっかり日が落ちて、夜逃げ気分です。新居に着きました。搬出は大学院の同期であるミャンマーの友達がお手伝いに来てくれました。ここはエレベーターがあるので、楽々らしいです。台車で運べばすぐってことで、友達はオートロックの解除係で、僕は部屋で待機する人になり、ほとんど運搬をしませんでした。これで12600円は安いよ。友達への仕事料は中華料理屋の焼肉定食のみ。おじさんにお金を渡して、お礼を言って引越し完了。チップでも渡せばよかったとアメリカンな気分になる。さて、ここからが引越しの醍醐味です。部屋のレイアウト、組み立て。結局のところ寮のレイアウトとほとんど同じにしました。備え付けの机もベッドも無いので、ちょと広く感じます。あー、でもいろいろと買わないと整理つきません。ここでも問題発生、友達が「あ!圏外」と言うのです。んなアホな。東京都ですよ。で、確認すると僕も「圏外」。ありえない。マンションに囲まれてるせいか。。。内見で重要なポイントじゃん。友達にカラーBOXとTV台の組み立てを手伝ってもらって、本日の作業終了です。徒歩30秒くらいの「はすぬま温泉」で疲れを癒します。翌日はお買い物。気分一新ってことで、美容院へ行きました。思えば何ヶ月切ってないのでしょうか、この髪。半年近いのではないでしょうか。美容師には「髪、伸ばしてるんじゃないんですか?」と聞かれ、「麻原に似てると言われたので切ります」とは回答してないですが、「似合わないので...」と回答。「髪多いから大変です」とこれだけ切ってもギャラはおんなじ的なことを言われました。1575円成り。あー、さっぱり。次にユザワヤへカーテンを買いに行きました。先ほども言いましたが窓がでかいのです。2m以上あります。カーテン代もばかになりません。高いカーテンを買おうと思いましたが、節約ってことでバーゲン品(半間1050円)を買ってしまいました。しかも、うる覚えで買った200cmのカーテンは窓が隠れ切れず、隙間できてます。これでは、電子に激怒されます。計ってみると220cmあります。230cmってカーテンはあるけど、220cmって無いです。10cm詰めたら、これまたお金取られた上に時間かかります。僕の出した結論は「ベッドでごまかす」です。せっかくの大きい窓が死んでしまいますが、いたしかたありません。万年布団より美しいです。次に川崎のハンズでパイプハンガーを購入しました。これは満足です。丁度よいサイズでしかも安い。冷蔵庫と洗濯機を買いに来たのですが、パイプハンガーの重みが嫌になり、とっとと帰ってしまいました。これでようやく部屋の服は片付きました。冷蔵庫と洗濯機はヨドバシで買ったのですが、リサイクル法で9000円で買った冷蔵庫に6000円の改修費。もー、嫌になります。。。そして、僕の蒲田通勤が始まります。JRの蒲田行進曲が鳴ります。ドアツードア30分は流石に楽ですね。フレックスで大田区役所へ転出届けを出しに行き、再び川崎のハンズでカラーボックスより高い、カラーボックス用の引き出しを買って新居に帰りました。そろそろお勤め品の時間と思い、最寄りスーパーのイトーヨーカドーへ向かいました。いくら探しても見つかりません。次に近いトーキューストアで買い物して新居に戻りました。ホームページを調べると「2/29で廃業」のお知らせ。ふざけんなよ。パンフレットにも大々的に載せてあるイトーヨーカドーが無いだと。これ最悪ですよ。スーパーも電波も文句いってどーにかなるものじゃありませんが、、やるせない気持ちを紹介業者への文句メールにつづるのでした。さらにブロードバンド敷設済みのマンションのはずが、NTTの回答が「ご依頼いただきました「Bフレッツマンションタイプ」お申込の件につきましてお調べしたところ、現在、お客様の集合住宅には「Bフレッツマンションタイプ」をご提供するための設備が設置されておりません。「Bフレッツマンションタイプ」をご提供する為には、必要な設備を設置するスペースのご用意や、管理組合様のご承諾、また、1棟において最低8契約のお申込を頂戴頂ける見込み等の、各種のご提供条件を満たして頂く必要がございます。つきましては、お客様の集合住宅が上記条件を満たし「Bフレッツマンションタイプ」のご提供が可能かどうかNTTの担当者が調査して、再度ご報告申し上げます。大変恐縮ですが、いましばらくお待ちいただけますようお願い申し上げます。」とのこと。いったどーなってんだ!引越し3日目にして、早くもこの物件が嫌になってきました。「住めば都」落ち。。。頑張って、好きになれるところを探したいと思います。蓮沼の発展を祈ります('04/3/15)。


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